2005年07月02日

障害者雇用状況が改善されない企業は

障害者の雇用に関する法律
と言う法が有ります。

現行では身体又は知的の
障害者雇用を義務付けています。

全従業員さんの障害者に掛かる割合は
1.8%
この数字が法定雇用率です。

本年4月1日現在に於いて、
法第47条に基づき、
2社が企業名を公表される事となりました。

法第46条第1項に基づき、3年間の
雇入れ計画を実施。
3年経過したにも関わらず
改善が見られなかった為、
特別指導を開始。

しかし、本年1月に依然として
改善されなかった為、
厚生労働省から直接指導となりました。

どのみち企業名が公表されるので、
此処でどの都道府県の何という企業が、
どのような理由で雇用改善がなされなかったのか、
書かせて頂いても良いのかも知れません。

しかし、私が
あくまでも障害者の職業紹介を行う
職業指導官として御願いしたい事は、
雇用率未達成だったから、
改善が見られなかったから、
企業名公表に至った、
と言う情報伝達ではありません。

何故、
障害者だけ別枠で
考えて頂かなければならないのか

と言う事と、
其れを踏まえた上で、
障害者を特別に考えなくても良いのではないか
と言う事への気付きを、
企業の役員の方、全従業員の方が、
今一度お考え頂きたい、
と言う事です。

うっとこでは雇えません。
ではなく、
どのようにすれば雇い入れが可能か。
と言うご相談はいつでもお受けしております。

いよいよ来年度から
雇用率に精神障害者も算定されるようになります。

そして、
雇用率だけが全てでは有りません。

職を求める障害を持った方、
ハローワークに多数お越しになります。

今度求人票を出して頂く機会が御座いましたら、
その方達の事を少しでも思い出して頂けますと、
また違ってくるかと思われます。

ご相談、お待ちしております。

2005年05月17日

鳴り響く防犯ブザー

車椅子の求職者が来られました。
幸い紹介状を御渡しする事が出来ました。
帰路につこうとされて、向きを換えられた途端…!
甲高い音が響きました。

この方は、車椅子で来所されました。
自動車の免許を御持ちでは有りません。
外出は車椅子で行かれます。
家から車椅子で行ける範囲。
其れが今度の面接先でした。

背たろうておられたbagには防犯buzzerが。
車椅子の為に窓口の椅子をどけていました。
その肘掛けかなんかに引っかかったんです。

他の部門の職員。
フロアにいらした御客さん。
この方の周りに人が集まって来てしまいました。
「済みません。」
と言いながら、音を止められました。
恥ずかしそうに。
どうしよう、人がいっぱい集まって来てしまった。

「鳴りましたね。良かったですね。」
と私が先ずその方の側まで行きました。
「うちの部門のBGMやなあ。」
と、※上席職業指導官も側に来ました。
※職業指導官の上の役職。
BGMって何ですねん、上席ってば。
と内心思いましたが、私は、
「鳴るかどうか確認できましたね。」

その方に話しかけ続けました。
車椅子のみで移動されています。
防犯buzzerは御持ちで当然です。
鳴る事だって有ります。
上席と私と。
その方の車椅子を先導して、出口まで。
人々が道を開けました。

2005年05月11日

障害者雇用率制度

毎年6月1日現在の身体・知的障害者の雇用状況の報告を事業所さんには御願いしています。
俗に「ろくいち報告」と言います。

ろくいちはこの際どうでもいいのです。
「障害者枠」って言われて、障害者の方の紹介が断られる事が有る、その御話をするのに、雇用率が避けて通れない為、この辺りから書いてみようかと思いました。

雇用率とは要するに、従業員さんの中で、何%の障害者がいらっしゃるか、と言う率です。
唯、現時点でこの率にcountされる障害者は、身体障害者、又は知的障害者であり、精神障害者は入りません。

障害者紹介の窓口では、障害者専用の求人に対し、通常、受理・公開している求人を「一般求人」と呼びます。

御紹介しようと窓口で事業所さんに御電話します時に、作業内容が合わないとか、現場の受け入れ態勢が整っていなくてとか、そういう事で面接に至らない事はよく有ります。
しかし凄く残念なのは、主に一般求人から御紹介しようと御電話した時に、
「障害者は別枠です。」
と断られる時です。
「障害者を雇用する時は障害者求人を出します。」
とか、障害者雇用は本社一括で行う為、
「内には面接する権限が有りません。」
と断られる事が有ります。
又、障害者求人からの応募でも、同じ障害者を雇用するなら雇用率に算定される、
「身体(又は知的)障害の方の雇用を考えています。」
と、精神障害の方が面接に至らない事も有ります。

雇用率は本来、障害者の雇用の場を確保する為のものです。
がっかりされて肩を落とされる求職者を目の前にして、私達窓口職員はどうすればいいのでしょうか。

2005年05月03日

てんかんの求職者

その方は初めて窓口に来られました。
てんかんである事を伝えて、働きたいとの事。

てんかんの方を事業所さんに御伝えするのには幾つかポイントが有ります。
「※小さい頃にてんかんの発作を御持ちで…。」
で始めること。
※ 他の病気の薬の副作用からてんかんに。
  此れで窓口に来られる方が増加しています。
  その場合は言葉を変えます。
後は、「通院」と「服薬」です。
発作の心配は殆ど無い旨をきちんと御伝えすればいい訳です。
出勤の日に通院で休まないといけないとか、仕事中に服薬の時間が来た場合など、てんかん故の配慮が必要であれば、架電時に御伝えします。

面接に至らなかったのは、冷凍倉庫内作業の求人でした。
出たり入ったりで体感の温度差が大きく、てんかんの御薬を飲んでいる方を雇い入れる自信が無い、との不調理由でした。

紹介状を御渡し出来たのはスーパーの品出し作業でした。
品出しでは他の精神の障害の方もいらっしゃる現場ですし、パック詰めのような裏方の御仕事では知的障害の方もいらっしゃって、此処の御担当は私をよく御存知なのです。
「会いましょ。会わな、分かりませんわな。」
有難う御座います。

自信が無い、と不調に終わった事業所さんは、同じ事を仰有ってました。
「会うてみんと、分かりませんねけどなぁ…。」
でも、若しもの事があったら、と考えるのはある意味正論です。
温度差の大きい所で、てんかんの方にどのような負担を強いる事になるのか、勉強不足の私の負けです。

「てんかん」は漢字で「癲癇」と書き、職員用の補助紙には私も漢字で書いています。
しかし、てんかんの団体の方、家族会などが使用されているのは、平仮名表記なのです。
今後ブログにてんかんの話題を載せる時は、私も平仮名で表現しようと思います。

2005年04月29日

昨日の専門援助部門で

席に着くなり、「犠牲者が100人超えそうです」と言った知的障害の方。
前置き無しです、突然座ってこの台詞。
尼崎のJR事故の事だろうな、とは分かりましたが、挨拶も無く。
偉い事になったよね、沢山亡くなったよね、と話し掛けても、もう障害者用求人のfileに関心が行って、目も上げてくれません。
凄く汗っかきで、夏は元より、冬は暖房している窓口で、汗たらたら。
いつも、暑いですね、今日は増しですね、って言いながら席に着くので、前回来所時に、他に話題無いの、って茶化した所でした。
この方なりに、話題を探してきてくれたのかなあ。

集中して求人fileを御覧のこの方を尻目に、私は自己検索パソコンを叩きに行ってみました。
この方は、御一人でパソコンで検索する事が困難なのです。
いつも障害者求人を御覧になっている時、職員が前回来所日以降に入った一般求人を検索機で選んで来るようにしているのです。
しかし、この方の望む職種で、1日6時間程度、週5日以上の新しい求人は見つかりませんでした。

話のネタに、事故の話をしてみようかな、と思いましたが、既に汗まみれのこの方を見たら、冷房が入らんで御免な、と言ってしまいました。

この方は前の職場では、正に額に汗して勤務されていました。
大型スーパーが閉店した煽りで、失業されました。
生産性を求められたり、speedを求められたり、この方には無理な事です。
でも、仕事の好きな方です。
この方の人柄と特性を分かってくださる事業所さんが見つかるといいのですが…。

2005年04月05日

障害者の態様に応じた多様な委託訓練

大阪府の主催です。
受講申込書は、大阪府内のハローワークにあります。
訓練は2ヶ月程度の短期になります。

対象は、身体・知的・精神の障害者です。
コース別に別れています。
一部、作業所に通所中の方は対象にならない場合が有ります。
後の用件は、通常の訓練と同様です。
自力で訓練場所迄通える方。
身の回りの基本的な事が出来る方。
訓練を受ける事によって就労が見込める方。
義務教育終了済みの方。
ハローワークに求職申し込みをされている方。
大阪在住の方。

ご希望の方は、先ずハローワークにコースの確認を事前になさってください。
出来れば、直接お越しになるより、お電話やファックスなどでお尋ね頂ければ、何度もお越し頂くのに未だ申し込めない時期的な問題が解消出来るかな、と思います。
勿論、求人を見に来られていたり、失業認定日など、ハローワークにお越しになる方は、その都度お尋ね頂いて結構です。

お申し込みは、お住まいを管轄するハローワークです。
お問い合わせも、本来は大阪府商工労働部能力開発課ですが、此処にお電話番号を載せていいものかどうか分かりませんので、何かご質問がある方は、ハローワークの専門援助部門(障害者の窓口)迄お尋ね頂けば宜しいかと思います。

2005年03月28日

専門援助部門 万歳

内部異動が発表されました。

もう1年、障害者の職業相談に携わる事となりました。
8年目突入決定です。

一昨年迄は、6年という雇用保険給付課審査係が最も長かったものでした。
失業認定の窓口、と言えば、御利用になった事の有る方も多いと思います。
それが、一昨年の春、障害者の「専門援助部門」6年目に突入し、タイになったと密かに喜んでいました。
昨春は、遂に7年目になり、私の行政歴の中で最も長いものになり、家に帰って1人で祝杯を上げました。 ←単にいつも飲むお酒を御祝いの気分で飲んだだけですが。

来年、今の職安を異動になる時、精一杯遣ったと思えるように、今迄以上に業務遂行に当たらなければ。
障害者部門8年目の職業指導官なんですから。

読書感想ランキング