2026年05月25日

ミセス・ハリス、パリへ行く ポール・ギャリコ:著

未亡人の
ハリスおばさん





ネタバレしています
ミセス・ハリス、パリへ行く.png




いろいろなお宅に行って
家政婦をしている

お花が大好き

なんなら、
この世で最も美しいのは
お花だと思っている

仕事中に
ある邸宅で見た
クリスチャン・ディオールのドレス

お花の他に
こんなに美しいものがあるとは

ドレスに
焦がれて焦がれて焦がれぬいた
ハリスおばさん

お金を貯める迄の話

パリに行ってからの話

そして
持ち帰ったドレスとの別れ

その代わり得たものの
感動の物語



パリの人たちには
おばさんは家政婦だと見抜かれている

でも
そのことに気が付かない

おばさんは
イギリス人だから
フランス語が分からない

それより
ドレスに対して
一生懸命な姿や
素直な人柄が
バカにしたり悪意を持った人々を
どんどん味方にしていく

仕立てるのに1週間ほどかかると言われて
パリに滞在するお金がないおばさんは
大粒の涙を流して
ドレスが手に入らない現実を悲しむ

ディオールの人たちは
それをみて胸を痛める

ココを読んでいて
電車の中で、
わたしも泣きそうになった



ドレスの末路は
悲惨なものだった

おばさんの働き先に
女優の卵がいる

密かにおばさんも
応援している

帰国してすぐに
この女優の家での勤務を復活

女優に
チャンスが巡っていた

しかし、女優は
一張羅をクリーニングに出してて
間に合わない

他に衣装がない

おばさんは女優に
ドレスを貸してやる

女優は
ドレスを着て出かけた先の鏡で
髪を整えようとした

多少
きこしめしてもいたのだろう

足元のヒーターに気づかず
ドレスに燃え移り
女優も死にかける

そして
ドレスは無残な姿に

翌日
貸した侭のおばさんは
ドレスを返してもらおうと
喜んで女優の家に仕事に行く

焼け焦げたドレスと
その事情を書いた手紙、
女優の留守中の
家政婦の賃金が置かれていた

おばさんは
泣かなかった

ここではまだ

黙って
ドレスを畳んで
二度とこないだろうこの家の鍵を
置いて行った

おばさんが泣くのは
家に帰ってから

わたしは
ドレスを畳んでる辺りから
泣きそうになった

おばさんが泣いたときは
声をあげたくなった

電車の中だったのに



お金をためて

渡仏して

ディオールの店に行って

ショーを見て

ドレスを決めて

出来上がりを楽しみにして

これが全て
無駄

人生なんて
そんなもん

読んでいて
こんな気持ちになった

ところが!

ディオールの店の人たち

本当は優秀なのに
前に出られない性格ゆえに
同僚から抜かれ続ける夫を持つ
マダム・コルベール

ディオールの専属モデルだが
華やかな世界より
家庭の雰囲気を大事にしたいナターシャ

ナターシャに憧れていた
会計係のフォーベル

裁断師、仮縫い師、裁縫師、店のスタッフ一同

そしてディオール

それから
ショーで知り合い
おばさんを家政婦と分かっても
尊敬し、
仲良くなったサシュ侯爵

みんなが
おばさんの無事の帰国を祝い
一人ずつのカードと
大量のお花を届けてきた

マダム・コルベールの夫は
おばさんの話を聞いたサシュ侯爵が力添えして
外務省の一等書記官になった

ナターシャとフォーベルは
両想いを察したおばさんが
2人の間に入ってくっつけたことで
結婚した

サシュ侯爵は
お花の豆知識をおばさんから聞いて
幾つになっても勉強だなと思った

おばさんも
皆にお世話になったことを思い出す

フォーベルは
ドレスが出来上がるまで
家に泊めてくれた

急いで帰るおばさんのために
裁断、仮縫い、裁縫の人たちは
手際よくドレスを仕上げてくれた

マダム・コルベールの手配によって
ショーもよく見える席にしてもらった

ナターシャがショーで着たことで
おばさんは
ドレス「誘惑」に心奪われ
それを手に入れた
 フランス語苦手なので
 おばさんは「ゆうやく」と言ってた

この下りで
電車の中とかもうええわとばかりに
涙が出てしまって
鼻の奥がツーンとしてしまった

ドレスへの熱意は本物だったのだけれど
友達に見せた時の反応を期待してなかったかとか
反省をはじめるおばさん

おばさんが
涙を頬につたわせながら
焼けたドレスを抱きしめるところで

関わった全ての人たち

心と心の通い合い
友情
愛情
思い出の宝玉をくれたパリの街

これらを
一緒に抱きしめたのだという
文章で締めくくられた




読了:令和8年1月21日


ミセス・ハリス、パリへ行く …角川文庫の紹介頁





🌺 🌺 🌺 🌺
小説(読書感想)ランキング
🌺 🌺 🌺 🌺
posted by 紫 at 23:08| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック