独居高齢女性の
イェルダ・ペアションが亡くなった
ネタバレしています
自治体の管財人 マリアン・フォルケソンは
独居高齢者の身内を探して
引継ぎをし、
誰も居ない場合は
出来るだけ個人的な葬儀を行って
弔う仕事をしている
イェルダの身辺を探るうち
高名なノーベル賞作家 アクセル・ラグナーフェルトの邸で
家政婦をしていたことが分かる
また、
脚本家 クリストファー・サンデブロムが
イェルダによって遺産相続人に指定されていた
ここから
アクセル
アクセルの妻 アリス
アクセルの長男 ヤン・エリック
ヤン・エリックの妻 ルイース
彼らの過去から現在まで
各章で語られる
どの章に読み進めても
文字どおり
ページをめくるのが
やめられなかった
アクセルが一夜限りと思って手を出した
作家志望の強制収容所生き残り ハリナは
実は心を病んでいて
レイプされて
クリストファーを身ごもった過去があった
ハンナは今は
アクセルの友人 労働者文学作家 トルグニ・ヴェンベリと
同居しているが
付き合ってるわけではないと
アクセルに言う
ハリナは
執拗にアクセルにつきまとう
男女関係はなかったと
トルグニやアリスに言い切るアクセル
メンタルをいわしているハリナだから
妄想だと信じるアリスは
家にまで押しかけたハリナを中に入れ、
妻としての優位を示す
そこにハリナが
アクセルの
脱がいなと見ることができないアザの話を持ち出し
形勢が逆転
カッとなって気づけば
ハリナを殴り殺していた
アリス
ここで
大きな秘密が1つ生まれた
もう1つの大きな秘密は
ヤン・エリックの妹 アニカの死因
事故死だと聞いていたヤン・エリックは
自死だったと知る
これだけでも衝撃だが
その理由が終盤まで明かされない
アクセルのベストセラー本で
ノーベル賞受賞にも貢献したと思われる「影」
これは読んでいて
ハリナの作品を盗用したのだと
予想はついた
同棲していたトルグニは
ハリナを叱咤激励し
ハリナの私小説とも言える「影」を
最後まで書きあげることを支援し続けた
アクセルの名前で出版された「影」で
トルグニは全てを悟る
アクセルは
ハリナと関係を持ったのだと
既にハリナはトルグニの元を去っており
心の傷を抱えて生きていたトルグニは
激怒して
アクセルの家に乗りこむ
「影」がハリナ作だとバラされたくなければ
トルグニがされたように
大切な女性をトルグニに差し出せ
アリスではなかった
トルグニの名指ししたのが
アクセルの娘 15歳のアニカ
アクセルは
アニカを邸に1人になるように仕向け
トルグニを通すことで
アニカを与えてしまう
「影」の秘密が噂になるなどしたら
トルグニのやったことを公表してやる、
お前は地獄に戻れ
と言い放つアクセル
トルグニはアクセルの呪い通り、
それから地獄の日々を過ごすことになってしまった
アニカの死の原因はこれだとは書かれていないが
これしかないだろう
家政婦だったイェルダは
全て秘密を知っていた
自分のお金を
クリストファーに送り続けた
クリストファーは
もしかして送り主は
自分を捨てた両親ではないかと思っていたが
調べるすべもなく何年も経ち
イェルダの遺産を受けることになった経緯になる
プロローグで
3歳のクリストファーを捨てに行ったのは
アリスがハリナを殺した後
アクセルに命じられたイェルダだった
そして物語は
もう一つの悲劇を伴って
ラストに向かう
クリストファーが
ラグナーフェルト邸の庭で
ハリナの遺体を掘り出した
そばにいたヤン・エリックは
クリストファーをアクセルの隠し子だと勘違いし、
殺してしまう
今は高齢になったアリスは
不治の病が見つかった
そのことを
施設にいるアクセルは知らないが
自分も死の訪れを感じている
彼は死の間際
一番幸せだった子供時代に心が戻っていくという
この物語の大オチ…
読了:令和6年9月12日
カーリン・アルヴテーゲン …ウィキペディア

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