2024年11月06日

季節のない街 宮藤官九郎 ドラマ

映画「どですかでん」の原作である
山本周五郎の小説(ウィキペディア)
舞台を
東日本大震災で被災した仮設住宅にうつして
宮藤官九郎が脚本・監督をつとめたドラマ

Disney+が配信したものを
テレビ東京系列 ドラマ25で
地上波放送された

令和6年
4月5日~6月7日
土曜 0:42~
(金曜24:42~)


ネタバレしています
季節のない街.jpg




〇 仮設住宅

セットだったのでしょうか

そうですよね、
もう実際の仮設は
取り壊されてますよね

でも
本物を使ってるのかという程
仮設の集合住宅のセット
素晴らしかった


〇 愛猫トラ

田中新助(池松壮亮)が
仮設に連れてきました

トラ(ベーコン)は
毎回かわいかった

このトラが擬人化されると
皆川猿時くんがトラをやっていて
これも出て来ると楽しかった


〇 どですかでん

映画「どですかでん」は
タイトルだけ知ってました

六ちゃん(濱田岳)の
エア電車走行時の掛け声だったのですね

六ちゃんは
自閉スペクトラムでしょうか

新助のことを
半人前だから
半助と呼び
これが新助の
仮設での呼び名になります


〇 仮設に来た理由

半助自体は
家族を"ナニ"で亡くしており
入居条件はクリアしてます

三木本(鶴見辰吾)が半助に
仮設の出来事を報告させ
野菜やお金を半助に渡しています

最初は
目的が分かりませんでした

半助にも
分かっていなかった様子

震災のことを
仮設の住民たちは
"ナニ"と呼んでいます


〇 切ない母子

与田辰也(仲野太賀)には
やさぐれた兄 シンゴ(YOUNG DAIS)がいて
辰也のお金や
二番目の父 アキオ(戌井昭人)が買ってくれた背広などを
持って行ってしまいます

それを非難すると
母 しのぶ(坂井真紀)は
辰也が優しくない!
シンゴは優しい!
と、辰也を非難します

辰也は
仮設を出て
幼い弟妹としのぶと共に
マンションに住もうと貯金しているのですが
それを持って行くシンゴ

いいや、兄貴にくれてやろうと
短い時間で辰也が決意する下りは
なかなか良かった

けれども結末は
辰也にとってあまりに理不尽

シンゴがケガをして
車いす生活になる

しのぶは幼い弟妹を連れて
シンゴと共に
辰也の出ている間
仮設を出て行ってしまいます

わたしは
これで良かったと思いました

一緒にいても
しのぶはあの調子

辰也は傷ついて
どうしようもなかったでしょう


〇 夫婦交換

仮設で
向いどうしに住んでいる日雇コンビの
増田益夫(増子直純)と
河口初太郎(荒川良々)

仕事に行くのも一緒

終わって飲むのも一緒

あるとき
酔っぱらいすぎて
互いの家を間違えてしまいます

益夫の妻 光代(高橋メアリージュン)も
初太郎の妻 良江(MEGUM)も
そんなこと意に介さず
夫を取り換えたまま暮らす

仮設で噂になるけれど
4人とも全く気にせず
あるとき元に戻ったり

おもしろい夫婦たちでした


〇 ユニークで優しい人かと思いきや

島悠吉(藤井隆)も
チックがあって
なかなか大変な役

優しくて
ワイフ思いだけれど
実は
彼が三木本に
仮設の情報を集めるように
言っていたようです

取り壊しが決まっていて
住民たちが出て行かないから
弱みを握る作戦


〇 切ない父子

仮設に入らず
住みついている
ホームレス父(又吉直樹)と
息子(大沢一菜)も
ユーモラスで楽しかったのですが
展開が辛すぎました

半助は
父親をリッチマンと呼んでいました

リッチマンは
息子がお金をめぐんでもらうことは禁じていて
物なら構わないというルールを作っていました

息子が馴染みのお店に行って
残り物を貰います

時にはトラと取り合いになりましたが
大概 店の人たちは取っといてくれて
リッチマンと食べる生活

リッチマンは知的な話し方をして
それは息子に対しても同じ

家を建てる想像を膨らませ
息子にどんな家がいいか話して聞かせます

息子は
プールが欲しいとだけ伝えました

そんなとき
しめさばを貰った息子は
加熱するよう言われたにもかかわらず
リッチマンがその侭がオイシイと言ったので
2人して生のまま食べてしまいました

お腹が痛くなった父子

リッチマンは回復しましたが
息子はずっと苦しみ続けます

息子がふと気がつくと
ぼさぼさの髪のままのリッチマンが
いいナリをして
プールサイドにいて
自分の方を見ているので

プールを作ってくれたんだね
ありがとう

プールに飛び込みます

視聴者は
そんなことないのが分かっています

息子は
死ぬ間際に
プールの家の夢を見たのです

リッチマンは
君がねだったものは
プールだけだったねと
ポツンと思い返します

いろんな切ないエピソードの詰まった
本作ですが
リッチマン父子の話は
わたしは一番つらかった


〇 春夏秋冬 by泉谷しげる

家族経営のリカーショップで働く
オカベ(渡辺大知)

仮設に
叔母 妙子(広岡由里子)と
その夫 京太(岩松了)と住む
モノを言わない かつ子(三浦透子)が好き

ところが
妙子が入院している間に
かつ子は京太にレイプされ
子を身ごもってしまいます

京太の犯行だと
妙子にはわかりますが
京太は認めません

京太は
仮設を出ていきます

そんなとき
かつ子はオカベを刺します

かつ子は死ぬつもりでしたが
死んだあと
オカベに自分のことを忘れられるのが嫌で
刺したのでした

刑務所をすぐ出てきたかつ子は
オカベと堤防を歩き
オカベがギターで
春夏秋冬を歌ったら
一緒に歌いました

春夏秋冬には
「季節のない街に生まれ」
という歌詞があります

ドラマのタイトルに
繋がってしまいました

いや、それより
オカベがかつ子に
勝手にハモラナイデくれる!
と、苦情を言ってました

綺麗だったのに

存外、得手勝手なオカベ

この流れから
かつ子は
話すようになって
オカベともデートしたりするようになっていきました

仮設が解体されることになったとき
かつ子は
自分を捨て
いまは金持ちになった実母 かなえ(小田茜)の元に
行くことになりました


〇 時が止まってる

仮設には
将棋を打ちながら
みんなの悩みをきいてあげている
丹羽和夫(ベンガル)がいます

昭和24年生まれで
今62だよと言うのですが
この生まれだと
"ナニ"のときに62ではないかと

仮設解体時には
特養に行くことになりました


〇 最終回

出て行くのを嫌がって
たてこもったり
抵抗気味だったみんなも
仮設からそれぞれの街に
拠点を移していきました

お別れパーティーの場面など
おもしろかったですね

30分で
どう終わるのか妙な心配をしてしまいました

いい終わり方でした





*:クドカン監督

第1話*
4月6日 街へいく電車

第2話*
4月13日 親おもい

第3話
4月20日 半助と猫

第4話*
4月27日 牧歌調

第5話*
5月4日 僕のワイフ

第6話
5月11日 プールのある家

第7話
5月18日 がんもどき 前編

第8話
5月25日 がんもどき 後編

第9話
6月1日 たんばさん

最終話*
6月8日 とうちゃん




posted by 紫 at 05:39| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮藤官九郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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