2023年09月03日

チェスナットマン セーアン・スヴァイストロプ:著

1989年

豚を飼育している農場で
この家の妻と
10代の息子、娘が
惨殺された


ネタバレしています
チェスナットマン.jpg
Bente JønssonによるPixabayからの画像


他に10歳くらいの双子の息子と娘も
監禁部屋のようなところから
酷い有様で見つかる

その部屋には
栗人形(チェスナットマン)が
たくさん置かれている

発見した刑事は
応援と救急を呼んだあと
双子だけでも助けようと試みる

が、刑事は
顎を斧で砕かれ…

ここまでがプロローグ

突然、現代になって
チェスナットマンを現場に残す
凄惨な連続殺人が起こる

チェスナットマンには
1年前に殺害されて埋められたとされる
クリスティーネ・ハートンの指紋がついている

クリスティーネの父 スティーンは
ハンドルを握るときも
酒をやめることができないほどの依存症に陥り
母 ローサはずっと休職していた社会問題大臣の職務に
やっと復帰したところ

連続殺人の被害者は
シングル・マザーばかり

チェスナットマンの事件に
殺害されたはずのクリスティーネは
どう関わっているのか

ローサを脅迫する人物なども出てきて
ややこしく仕立てられてはいたが
出てきている人の中に
チェスナットマンはいるのだろうなと
予想はできたし
まあ、納得の真犯人ではあったかな

著者は
書き方がとても深くて丁寧

ドラマ脚本家で
本作が小説デビューとは思えない
綺麗な文章が続く






真相】

犯人は警察の科学捜査課の
シモン・ゲンス

ゲンスは
幼い頃 ローラと同じ家に
双子の妹と一緒に里子として引き取られていた

その家でずっと暮らすことになったため
嫉妬したローラが嘘をつき
双子を追い出した

その後の双子は
プロローグの農家に引き取られ
虐待の限りを尽くされた

ゲンスはこの双子の兄

冒頭の
農家の妻、子供たちを殺害したのは
10歳だったゲンス

農家の主人の行く末は出てこないが
恐らくゲンスが殺害した

ローラが大臣として出現してから
ずっと復讐の方法を考えていた

ヒロインの刑事 ナヤ・トゥリーンも
話しやすい同僚としてゲンスを見ていた

主人公 マーク・ヘスも
ゲンスを実験につき合わせたり
信頼を寄せていた

答えが分かってから
ゲンスの出ているところだけ
読み返したくなった


読了:令和5年6月22日


セーアン・スヴァイストロプ
posted by 紫 at 05:48| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳サスペンス小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック
読書感想ランキング