2023年08月15日

密室殺人 ルーパート・ペニー:著

トマス・バットの探偵事務所に勤務する
甥のダグラス・マートン



ネタバレしています
密室殺人.jpg




マートンの一人称で
語り進められていく

最初に樅の木荘の
女主人 ハリエット・スティールが死ぬことは
マートンは明かしているし
タイトルからも
この性格の悪い
皆に嫌われているハリエットが
殺害されるのが密室なのだなと
思いながら読んだ

樅の木荘は
ハリエットの亡くなった夫のもの

住民はハリエットの他、
夫の母 メアリー・グレンと
夫の姉か妹(要するに女性のきょうだい) オリーブ、キャロライン、ヴァイオレットと
キャロラインの娘 リンダ
キャロラインの息子 ヘンリーであり
みんなハリエットを好いてはいない状況

ここに
ハリエットの兄 ジョージも住んでいて
とにかくみんなに動機がありすぎる

なので
この人が犯人ですと言われて
ああ、でしょうなあ、で終わってしまったのだけれど

しかも密室のトリックのめんどくささ

こんなもん、現代で披露したら
ナニこれ、こんなのおもしろいのかと
首をひねられるだろう

とはいえ、
トマス・バットのセリフはどれもおもしろくて
笑いが漏れた





真相】

犯人は
オリーヴとキャロライン2名

2人は仲たがいしてるように見せかけて
裏で手を組んでいた

密室は
ハリエットの部屋のドアから
廊下にはみ出る形で絨毯を敷いといて
見えない位置にナイフを仕掛け
ハリエットがそこに立った時に絨毯を引っ張って
ナイフの上にハリエットを倒して刺した
 爆笑レッドカーペットみたいな感じ

気の毒なのは
グレン夫人

娘2人のたくらみに気づき
落ち着こうとして
そして
よく眠ろうとして
薬を入れてドリンクを飲んだのだが
そのドリンクには既に薬が入っていて
そうと知らずに多量の薬を飲んでしまったことに

グレン夫人はその結果
意識不明の上、搬送先で死亡という
気の毒な顛末

この人だけは私も
嫌いじゃなかったのに
最後、亡くなって残念

犯人がリンダだとおもしろかったのに
なんでオリーブとキャロラインやねん

2人おったのはホ――って思ったけど
それだけ


読了:令和5年5月22日


論創海外ミステリ
posted by 紫 at 05:56| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳推理小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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