2023年01月19日

サイラス・マーナー ジョージ・エリオット:著

サイラスは
ランタン・ヤードで
親友 ウイリアム、恋人 サラと
神に感謝しつつ
生活を送っていた

ネタバレしています
サイラス・マーナー.jpg






ところが
サラに横恋慕したウイリアムが
サイラスを陥れ
絶望したサイラスはランタン・ヤードを去った

ラヴィロー村に辿り着いたサイラスは
村の外れで機織りを始める

ラヴィローの人たちとの付き合いもせず
黙々と機を織り
生計をたてていた

やがて
貯まっていく金貨を
夜な夜な確認して
幸せをかみしめるようになったが
この金貨が盗まれた

ラヴィローの人々に
助けを求めたサイラス

ラヴィローの人たちも
胡散臭い気味の悪いサイラスに近づいていなかったが
同情し
犯人捜しを手伝ってくれる

あるとき
金貨が戻ってきたのを見つけたサイラス

しかしそれは
金貨ではなく
金色の髪をした
ちびっ子だった

この子の貧しい母 モリーは
サイラスの家の近くで
雪に埋もれて亡くなっているのが発見された

ちびっ子を手放せなくなったサイラスは
エピーと名付け
父娘として暮らしていく


モリーがなぜ
雪の中をちびっ子を連れて行進していたかというと
復讐の為

モリーは
パーティーをしていたキャス邸に乗り込み
自分が
長男 ゴッドフリーと極秘結婚していて
この子はゴッドフリーの子だと暴露しに行くつもりだった

ゴッドフリーの弟 ダンスタンは
お金欲しさに
サイラスの家に忍び込んで金貨を盗んだ張本人

のちにエピーが成長し、
ゴッドフリーが
父娘の名乗りをあげて引き取ろうとしたとき
サイラスは苦悩し、
エピーはサイラスとの暮らしを選ぶ

裕福でも
人でなし的な
キャス兄弟と
貧しくても
幸せな家族関係を築いた
サイラスとエピーとの
大きな対比で物語は終わった


雪に倒れたモリーからはぐれて
エピーがサイラスの所に行ったとき
訳がわからずサイラスが面倒を見るが
そのエピーの仕草がとても可愛らしい

サイラスは
幼い妹を思い出している

人間らしい心を取り戻す瞬間

読み手には
ダンスタンが盗む一連の過程を知らされており
サイラスの悲嘆も痛い程わかるが
エピーと暮らすサイラスを読み進む内
サイラスと共に
金貨がどうでもよくなり
ダンスタンのことも
どうでもよくなる自分を発見する


家族ほど
大切なものはない

苦しいときも
心が一つであれば
乗り越えていける


読了:令和4年10月6日


サイラス・マーナー
posted by 紫 at 05:36| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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