2022年10月11日

世界は笑う 令和4年9月大楽 京都劇場

席はX列 最下手

京都劇場は
劇団四季だけですが何度も行っています

こんな後方は初めて

見切れませんが
誰が出ているのか見極められません


ネタバレしています
世界は笑う.jpg




世界は笑う

令和4(2022)年9月6日
月曜 12時公演

京都劇場


作・演出(以下、敬称略)
 ケラリーノ・サンドロヴィッチ




昭和32年

軽演劇を上演する新宿の三角座を舞台に
裏方の米田彦造と
その弟で喜劇俳優 有谷是也を軸にした
群像劇





みんな
2役やっていました

知らなかったので
戸惑いました



1幕は
しっくりこない居心地の悪さを感じました

人間関係が
微妙にギクシャクしてる感じ

1幕ラストに
ホッとする展開になり
救われたような気分になって
幕間を迎えたのです

2幕では
1幕の仕上がっていた項目が
ほころび始めました

おもしろい進行でした



差別言葉が
バンバン出てきました

演劇ならではですね

多くは
昭和32年当時なら
日常に語られていた単語です





瀬戸康史

・米田彦造

いちばん私にはツボな役でした

ボケてるつもりがないのに
笑いを誘います

三角座の裏方ですが
ナンなら
三角座の役者たちより笑えます

地方出身で訛りも残ります

朴訥としていて
人柄にも好感が持てました

鈴木初子へのいちずな思いも
周りに分かりすぎるくらい

群像劇とはいえ
カテコも
瀬戸康史くんと松雪泰子ちゃんは
2人だけ最後に中央からハケルという
特別枠で
物語のキーパーソンを演じていました



千葉雄大

・有谷是也(本名:米田助造)
・田舎から出てきた男

お笑いのセンスはあって
本を書いたら爆笑物を完成できるのに
本人が演じたら
全然おもしろくない

ヒロポンは違法となりましたが
その法律が施行された時点で
既に中毒になっている人たちがいて
その中に有名人も多数いましたよね

是也も
一度は立ち直って
三角座のスターにまで上り詰めたのに
三角座を去ってからまた手を出して
破滅へと堕ちていきました

幻覚を見ている場面、
怖かった…



伊藤沙莉

・秋野撫子
・田舎から出てきた女

声が好き

どんなセリフを話してても
いい感じに聞こえます

序盤は
オズワルドの伊藤くん(沙莉ちゃんの実兄)が浮かんだりしましたが
気づいたら
オズワルドは頭からぶっ飛んでました



大倉孝二

・多々見鰯
・多々見走
・部長

孝二くん
やはり背が高い

後輩のみならず
先輩にも嫌ごとを言う
弟の鰯

天才芸人で
戦争から戻らない
兄の走

鰯は
孝二くんがよくやる役のタイプ

1幕では鰯がとても鼻について
彼の機嫌の悪さが舞台を覆っていました

1幕ラスト、
米田彦三が初子を映画に誘ったことを
三角座みんなで喜ぶところで幕間に入りましたが
ここで鰯も温かみをのぞかせたので
ほっとしました

私はしかし、
復員してビジネスマンみたいになった走の方が好きです


↓ 孝二くん(犬山イヌコちゃん・山西惇さんも)見たのはもう15年も前(ケラさんも演出) ネタバレ




緒川たまき

・山吹トリコ
・ホステス

どの女優陣もみんな印象的で
心にグッときましたが
たまきちゃんは特にイイ!

とても引き込まれて
ずっと出番が欲しいなという感じになりました

ナイロンの人だと勘違いしてましたが
違った💦

旦那さんがケラさんなだけでした



山内圭哉

・森南国
・傷痍軍人

2役やってる内の
メインでない方が好きなの
僧正だけかも

僧正演じる傷痍軍人は
実際は戦争で受障してないのに
それっぽい格好で
道行く人にお金を恵んでもらっています

上京してきたところの
道を聞いたりしていた彦造にはドン引きもので
真相を聞いて以降、
彦造が傷痍軍人には辛くあたることで
笑いが起こりました

私の席では傷痍軍人の顔がはっきり見えず、
声から僧正かと疑いはしましたが
芸達者な彼のこと
自信がありませんでした

このあと
三角座が潰れてからの終盤
もう一度出てきたときに
ようやく僧正だと確信に至りました

僧正は、私が観に行く色々な芝居に
随所に出てきます

最近のもので印象に残ってるのは
大阪弁を喋る、取り締まる権威の役を演じた

これで演じた取り締まる権威の役も
傷痍軍人も南国も
まじめな部分と
冗談のような誠実でない部分を併せ持つ役

僧正はこれらの役が
本当に巧い



マギー

・マルさん
・旅館の番頭

三角座によく出前を持って来てますが
店はうまくいってなかったことが
2幕で判明

三角座にとけ込んでるように思えたのに
2幕で金庫からお金を盗んでいました

初子がこれを見て
強く非難します

いい人、悪気のない人だったマルさんが
悪事を働いたこと

このあと
なじった初子が
マルさん以上の人でなしになってしまうという
流れが起こります

マルさん
恐ろしい裏キーパーソンでした



伊勢志摩

・ママ
・洋服屋店員
・記者アシスタント
・ホステス

ママは座長の妻で
三角座の制作、経理を担っています

興行主で
座長の元妻でもある蛇之目が
ママに
貴女がいてくれたから
三角座はうまくいったのだという
感謝の言葉をかけます

しかしその直後
ママに対して
夫を寝取った極悪人のような罵声を浴びせました

認知症の兆候のようです

座長が蛇之目に
この人はファンの人だよといい
ママも
応援しています、頑張ってくださいと返す

座長が抱えるように蛇之目を連れて出て行っても
ママはそのまま身動きもせず座っているこの場面は
色々印象に残ったシーンがある中でもピカイチでした

座長はきっと
ファンに手を出したんですね…



廣川三憲

・川端康成
・貸本屋を訪れる男
・野村記者
・バーテンダー
・医者
・片岡

声がステキ

特にバーテンダー、
美声が似合っていました



神谷圭介

・野本ケッパチ
・根岸AD

ケッパチはうまく立ち回る人だなと

特に三角座のコメディアンたちが
昭和の一筋な性格をそれぞれ持ってる感じに対し
令和の今もいる、こんな感じの人

ケッパチの
立ち位置の変え方は
物語の方向を決める助けになってたなと思います



犬山イヌコ

・服部ネジ子
・洋服屋の店員
・居酒屋の店員

ネジ子はいい奴だったなあ

以前はトーキーと組んでいたようですが
夫婦でもあったのかな?
2人の会話は愛にあふれていて
トーキーが1幕で死んじゃって
2幕、心の中のトーキーと会話してるところが
とても切なくて

ネジ子はみんなに優しい人でした



温水洋一

・青木単一

後輩芸人にはエラそうにするけど
脅されたらビビってすぐチビっちゃう

いくつかギャグを持っているけれど
おもしろいかと言われたらウーン…って感じ

でも
虚勢張って
自分はおもしろいんだと他者にも自分にも言いきるところが
青タンの芸人魂

ぬっくん、しかし
昔っからあの容姿で
私より1つお兄さんなだけのに
 私の年が分からないですよね、
 ぬっくん、近藤マッチと同い年です
もの凄いベテラン感が
今の実年齢に合ってきたのかな



山西惇

・鶴田万角
・麻薬売人
・電器屋店主
・貸本屋の客
・洋服屋店員
・田畑

座長って
鶴田万角って役名があったんですね

冒頭、大和兄妹のシーンの後
是也がヒロポンを買いたがった売人のトランスジェンダーの人
あつしさんやったんですね

座長は
みんなが蛇之目のこと、
おかしいって言ったとき
世話になってる人だと
みんなを怒りました

道理の分かってる人ですよね

あつしさん
カテコで着流しでしたよ、
カッコいい!


↓ 直近の舞台では、あつしさん、歌ってました ネタバレ




ラサール石井

・山屋トーキー
・斉藤プロデューサー

瀬戸康史くん、松雪泰子ちゃん、そしてぬっくん以外の全員が
複数の役を演じるというのを
知らなかったものですから

トーキーも斉藤も
そこそこ確立していて
一番戸惑ったパターンでした

むしろ
ラサールさん見て
みんな、複数やるんだと気づきました

2人とも違う性格で
それぞれの演じ分けもおもしろかったろうな



銀粉蝶

・蛇之目秀子
・貸本屋の女将
・居酒屋の女将

初めて見たのは
シティボーイズ(マンドラゴラの降る沼:ネタバレ)でしたが
ちゃんと見たのは
リチャード三世(ネタバレ)でした

リチャード三世では
夫と息子を殺された元王妃

恨みに凝り固まって
人々から魔女と呼ばれるマーガレットでした

興行主の蛇之目が
豹変するのを見て
マーガレットを思い出したりしました

蛇之目は
夫を略奪したファンの女を
内心恨み続けていたのでしょうか

芝居が巧いだけに
ママをののしって座長に連れて行かれる場面
つらい



松雪泰子

・鈴木初子

席が後方過ぎた一番の悲劇は
ハッちゃん役が誰なのか
家に帰って調べるまで分からなかったこと

終戦からずいぶん経ち
周りは走は戦死したのだろうと思っていて

それでも彼女は
夫の帰りを待ち続け

三角座を手伝い
謙虚でけなげで

しかし
彦造から思いを寄せられても
私からは
あまりその気には見えなかったことが
少し違和感がありました

夫を愛しているからかな
…程度に思いながら

マルさんが
三角座の金庫からお金を盗もうとしたときは
叱りつけたハッちゃん

そして
とっくに復員して別に家庭を持ってた走が
ハッちゃんを迎えに来ました

人が来て
結論まで至らなかったハッちゃんと走

彦造が落としていたプロポーズの手紙を
偶然見つけ
読むハッちゃん

彦造を振って
走とよりを戻すのか

走を吹っ切って
彦造を受け入れるのか

なんと

ハッちゃんは
三角座の金庫から全額を持ち出して
走とタクシーで行ってしまいました

しかも
目撃証言のセリフのみで
ハッちゃんが
実際に舞台でこの動きを見せてくれたのではありません

それまでのハッちゃんと
大きくイメージが違いすぎて

走を選ぶにしても
こんなことする人に思えなくて

信じることができません

1回しか見られなかったのが
残念です

もう1回見たら
ハッちゃんなりの
矛盾のない行動というものが理解できたと思います

そして
ハッちゃんが松雪泰子ちゃんだということも
分かったうえで楽しめたはずです…


↓ 衝撃の役をやったと言えばコレ ネタバレ






勝地涼

・大和錦
・中島

冒頭、まず撫子が出てきて
追いかけてきた兄の大和

あ、出てきたかな?
とは思いましたが
声を聞くまで
自信ありませんでした

楽屋の場面でも
何人か三角座の座員がいて
座っていた中にいたのですけれど
当初セリフがなく、
目を凝らしてしまいました

撫子が是也のことで泣いていて
妹が泣いてるだろ、こんな時の兄貴だろ
と、鰯に言われて
人前で泣くなって言ってるだろ!
と声かけて
鰯にどんな声がけやとツッコミ入れられてるところは
大和らしい

全編通して大和は
勝地くんのイメージに合っていました

2役目の飲んでいた会社員、
中島という名前があったんですね

ごくごく普通の
上司らと飲んでる会社員で
別の役が見られたなんて嬉しいなと思いました

カテコで泣いた千葉雄大くんの横で
もらい泣きもしてましたね

舞台も良かったし
色々な勝地くんが見られて
本当に行って良かった










席が遠いのは
逆に新鮮でした

それより
チケットです

勝地涼くんには
ファンクラブがない

私は
携帯・スマホを持ってない

チケットを取るには
スマホ登録不要の
ぴあしかありません

プレミアム会員なのに
コロナの影響か
おまかせエントリーも
先行抽選も
世界は笑うはできない状態でした

一般発売当日は
ぴあに入れず
やっと入れたときには予定枚数終了

土曜か日曜のどちらかと
大楽の9/6(火)のつもりでしたが
そんなこと言ってられない

何らかの方法で取れたら
9/5(月)でも行きたいので
9/5と9/6は休みますと
一般発売直後からは
部門に伝えていました

そして買えないまま
9/2(金)になり
もうお休みは返上して諦めて出勤しようかと思いました

けれども
誰のせいでもないのに
どうしようもない憤怒感が治まらず
 こうなったら最後までチケ取りをして
 取れなくても2日休んでやれ!
と予定通り休暇承認簿を出しました

帰宅して
以前、行けなくなったチケットを
半額でおけぴで売ったことがあったのを思い出し
買う側としておけぴに入ってみました

ずいぶん売られているではありませんか

大楽が取れました

おけぴサマサマです

売り手の方は某出演者FC先行で取られたそうです
 FC先行であの席?
 人気者はつらいなー

定価以下で販売するルールがあるとはいえ
定価より安く設定されてたので
それも助かりました

何より
ヤケになっていた私が
希望していた大楽に潜り込めたことが奇跡

この方にも感謝です
posted by 紫 at 05:35| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 勝地涼 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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