2021年08月09日

ダークライン ジョー・R・ランズデール:著

スタンリー・ミッチェル・ジュニアは
13歳でテキサスのデューモントに一家で転居


ネタバレしています
ダークライン.jpg




1958年のこと

大人になったスタンリーが
このときの出来事を書き留めている形式

ダークラインとは
この世とあの世を隔てる闇の境界を
スタンリーがそう表現したもの

過去の手紙の入った箱を見つけたスタンリーは
背景に現れてくる事件の謎を
アフリカンの元刑事で
今はスタンリーの家業であるドライブインシアターに勤める
映写技師バスターに手伝ってもらって
解明しようとしていく

このバスターのフルネームが
第二部のタイトルになってる

バスターは
冷静沈着に事件を組み立てていく

お酒で気分にムラがあるが
絶好調のときは
非常に冴えている

バスターは
スタンリーを坊ちゃんと呼んだり
スタンと呼んだりする

スタンは
バスターにも敬語

スタンの両親は
アフリカンの家政婦ロージィの前では
ニガーという表現をしないようにしていて
そんな家庭に育ったスタンは
ロージィにも敬語を使うことがある

子どもにも白人ならミスターを付けるロージィに
なんども
スタンリーでイイよというところは
しつこく感じたが、
これがリアルな世界だったこの時代

スタンリーが最後に
その後を書いており
あの人はこうなった、
あの場所はこうなった、
というのも分かり
なんとも言えない感傷に浸れた

それにしても
飼い犬に対して捧げ文を書いている著者は
スタンの飼い犬のナブの様子も
とても詳しく表していて、
よっぽど犬が好きなのだなと想像した


読了:令和2年12月5日

ジョー・R・ランズデール…ウィキペディア


posted by 紫 at 05:28| 大阪 ☀| Comment(0) | 翻訳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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