〇〇の冒険
というタイトルの短編ばかり
ネタバレしています
序文】
いつも事件譚を記す
エラリー・クイーンの友人
J・J・マックが
自分を介さずエラリーが纏める本の序文を
書かされている
ユーモアたっぷりの始まり
アフリカ旅商人の冒険】
エラリーが
学生3人とともに謎を解く
学生たち、
鋭そうでそうでもなくて
少しめんどくさい
首つりアクロバットの冒険】
サーカスなのかな、
この集団の中で死者が出る
真相がなんとなく
こじつけに見える
1ペニー黒切手の冒険】
「混沌のヨーロッパ」という書籍の謎と
黒切手の件が絡んできて
不条理感が楽しい
「混沌のヨーロッパ」を持っていた
チェスター・シンガーマンという学生に
エラリーとヴェリー刑事が聞き込みに行ったとき
うっかり切手の話をしてしまうが、
チェスターが
少しですけど集めてます
…と言い始めて
話が長くなる!
とビビった
エラリーとヴェリー、
逃げていく場面は笑った
ひげのある女の冒険】
エラリー・クイーン(著者の方)ともあろう人が
こんな真相にしてええのか
3人の足の悪い男の冒険】
足を痛めたりしてたことが
重要な感じで進む
なんか、
その部分、そんなに取り上げんでも…
という気分になる
見えない恋人の冒険】
冤罪で逮捕されたロジャー・ボウエンの
恋人アイリス・スコットが
タイトルになってる
見えない恋人
アイリスが見えないことを
たいしてクローズアップしてないから
私、読み終わるまで
このタイトル
どういう意味かと
ずっと疑問だった
チークのたばこ入れの冒険】
黒切手の冒険はあまり違和感なかったが
たばこ入れが冒険するのかと
クスリときた
推理小説らしいオチ
双頭の犬の冒険】
冒頭の
長身の男性が誰か
全くピンと来なかった
犯人が誰かというのは簡単に分かるが
幾つものクセを絡ませて仕上げてある
ガラスの丸天井付き時計の冒険】
被害者が臨終に至るまでの描写は
ゴメン、笑ってしまう
これも
謎自体は簡単に解けるが
それだけで終わらせず
伏線もちゃんと生きている
7匹の黒猫の冒険】
なんで7匹も
なんで黒猫
勘のいいひとは途中で分かると思うが
私はネタばらしまで分からなかった
いかれたお茶会の冒険】
なるほどね…という推理展開
この短編を読む前に
「不思議の国のアリス」を
しっかり思い出しておいてください
…と注釈が欲しくなった
新訳、読みやすかった
それにしても若い女性の描き方、
そして
それを見つめる男性の描写が
現代訳になると
セクハラ臭がするな
読了:令和2年10月30日