2021年03月05日

わたしを離さないで カズオ・イシグロ:著

タイトルは
キャシー・Hがヘールシャム時代に好きだった
ジュディ・ブリッジウォーターの曲
 ※歌手も曲も架空


ネタバレしています
わたしを離さないで.jpg
Photo by Hollie Santos on Unsplash



裏表紙に
"提供者"の世話を…
と書かれていたのを見て、
サスペンスか?
となって読み始めた

キャシーの一人称

31歳で介護人をしていて
もうじき辞めますという書き出し

あっという間に回想を語りだし、
いつ31歳の現在になるのかと期待したが
いつまでも
幼少時に過ごした施設ヘールシャムから出て行かず、
もう、キャシーがヘールシャムを出て
コテージに移った下りからは
私も諦めの境地に達していた

カズオ・イシグロは男性なのに
本当に31歳の女性が語ってるような
細かい表現、
それも特に心理描写が素晴らしい

SFでもあるし、
でも静かな印象で、
文学作品と言っても過言ではない

終わりが確実に来る関係性の切なさに
胸が締めつけられる

キャシーは
介護人をやめてからどうなったのだろうか


読了:令和2年7月21日









posted by 紫 at 05:39| 大阪 ☁| Comment(0) | 翻訳小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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