100年も前に没したキャサリン・マンスフィールドなのに
今でも通用する内容に感動
ネタバレしています
Bruno /GermanyによるPixabayからの画像
幸福】
幸福感の描き方の素晴らしさ
それら全てが
オチに向かって行った先の、
皮肉感の大きさったら!
ガーデン・パーティー】
恵まれた人間が
そうでない人々に対して抱く
思いやり、配慮の裏側は
単に偽善だけでないと感じさせる逸品
人形の家】
この時代なので
今よりもっと格差はあり、
今更それをどうこう言うつもりはないが
そんなことより、
貧しい姉妹の下の子のサゲのセリフが
うちの次女の小さい頃を思い出せてくれて
母性がくすぐられた
ミス・ブリル】
前出の「幸福」に似て、
幸せな思いをしていたミス・ブリルに襲いかかる
悪意たっぷりの事態
読み進めていたときは
それがチクっとした笑いに思えたが、
読み終わると
堪らなく切なくなってきた
見知らぬ人】
始まったときの場所から
違う所に着地させられた感が強い
最後の一文が凄すぎる…
まちがえられた家】
サスペンスのひと時を味わえた
著者は
こんな短い話に
なんちゅうスパイスを振りかけて来るのか
小さな家庭教師】
伏線になった人物への仕打ちが
膨らんでしまった不安の収束に一役買っている
船の旅】
何があったのかが徐々に明らかになり、
そして
失われたものの大きさが
諦観に落ち着く
若い娘】
年頃の娘がおり、
私も通り過ぎてきた若い頃
己の気持ちをどうしていいのか
それを周りにどう伝えていいのか、
いやそんなことする必要もないのに
自分はどうしたらいいのか
若い娘ってこんな感じ
燃えたつ炎】
チヤホヤされるこの女は
いつか誰かに刺されやしないかな
美貌なんて
年いきゃ意味がない
思いやりや優しさこそが
その人の美しさを醸し出す
ささやかな過去】
スターなんてこんなもん
ご贔屓の役者や芸人はいるが
こんな状態になったら見苦しいなあ
…と自戒の念がわきおこった
一杯のお茶】
美しさより
若さでねじ伏せる話にも思えた
食べる物もない女は
それどころじゃないって言うのに…
蠅】
最初の人物の視点が
別の人にシフトした
興味深い話
読了:令和元年11月5日
