2017年03月23日

骨の島 アーロン・エルキンズ:著

 ネタバレしています

イタリア国旗.jpg



スケルトン探偵こと
ギデオン・オリヴァーのシリーズ

ギデオンと
親友のフィルとの掛け合いは
漫才のようで
笑いがもれる

また、ギデオンと
捜査にあたる
憲兵隊のカラヴァーレ大佐との会話も
どれをとっても面白い

短い場面ながらも
謎解きのヒントを掴む為に
ギデオンが恩師に電話するやりとりも面白い

イタリアには誘拐保険があるんや、
日本にもあるのかな

身代金も
電子送金の世界になってるし、
歯型も
デジカメで撮って歯科医にデータを送ってるし、
カラヴァーレも
ギデオンの名前をググってるし

ギデオンが暴漢に襲われる場面では
彼の人類学者としての知識が総動員されて
通常の人なら
首を絞められた時に考えないような
動脈の流れを絶たれたら
脳に酸素が行かなくなって云々という
冷静な判断で対処していく様は
緊迫したとこなのに
そうさせないものがあった

ギデオンが
包丁を使って犯行を再現する時に
厨房に行って
その包丁を貸してくれとだけ言って
勝手に包丁を掴んだら、
コックがビビッてしまい
傍にいたギデオンをよく知る憲兵の伍長が
その人は大丈夫だとコックに伝えたら
ホッとしたコックが
ヘラを振って
ちゃんと返してや!と怒鳴る
コントのような場面も面白かった

ある場面で
不思議の国のアリスを連想して
閉じた口から鼻を鳴らす笑いをもらして
周囲ばかりでなく
自分でもびっくりしたギデオンの下りも
思わず電車で読んでたのに
私も失笑してしまった

プロローグ章も
これだけで小説が成り立つ程
面白い内容だが
本編に入って時代が現代になり、
あのプロローグは
どこに繋がるんやろと思っていたら
これが事件の真相であり、
物語の根幹の全てだったという構造、
なかなか良かった

フィルのベールが
徐々に取り払われて行って
彼が何者かという部分が
どんどんわかって来るのだが、
それでも
フィルの人柄は変わらず
凄くいい奴、
友達になりたい奴だと思った


読了:平成29年3月17日

posted by 紫 at 05:35| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳推理小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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