2017年03月11日

ラバーネッカー ベリンダ・バウアー:著

 ネタバレしています

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ネタバレすると
幾つか殺人事件が出て来るので
そしてその真相をそれぞれ暴くので
一応ミステリーだと思う

アスペルガー(現・自閉症スペクトラム症)の人の
気持ちが
筆者はよくわかっているなと感心した

ラバーネッカーとは
ゴムの首の人、つまり
ゴムのように首を伸ばして
回りをキョロキョロみる
好奇心旺盛な人を指すようで、
発達障害の主人公を表しているらしい

理にかなっている事、
ルールがはっきりしている事は
主人公には受け入れやすい

具体的に指示をすると
コンピュータのように正確に実行する

トップ5を教えろと言われて
黙り込んだ主人公の理由は
好きなものが3つしかないから

予想外な出来事は脅威で、
変更は悪いことで、
だからサプライズが大嫌いな主人公

他の登場人物たちとの会話は
コントのようで
電車の中で読んでいて
破顔してしまって困ったや

相手が嫌味のつもりで
「警察に聞こうか」と
架電しかけると
主人公は警察に聞くのをガチに待ち、
相手がプッシュ途中で受話器を戻して
「出て行けよ」と主人公に言う所もわらける

法律の話になって、
相手が
「分かったよ、大臣」というと、
「僕は大臣じゃない」と答える主人公に
また相手が
「そう、知らなかったよ」とジョークで返すのも
"大臣じゃないのに"とプチ混乱するところも
微笑ましいやら
発達の人の内面の詳しさに
筆者に感心するやら

初対面で
よろしくと言われて
何をですかと聞く主人公

初めて聞く単語を
何度も繰り返して発音して
母親に
今それは重要じゃないからと
窘められたり

発達の主人公、
どんどん魅力的に感じられる

ラストもネタバレすると
主人公のセリフが
落語の下げにあたる感じで、
私はここでニヤッと来た


読了:平成29年2月23日





posted by 紫 at 05:38| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳推理小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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