ひとりだと
かならずカウンターに案内するお店
その男性は
コートを手にもち
おおきなバッグをもっていました
荷物をおくために
テーブル席につこうとするのは
あたりまえのおこないでしょう
いつものように
お店のひとは
男性をカウンターに案内しました
えっ、荷物おきたいのに
と、いいたげな男性
お店のひとは
ひとりですでに
カウンターでお箸をうごかしていた私に
ひとつ席をつめるようにいってきました
ひたすら
頭をさげてもくれました
でも
男性はブスッとしています
よくいくお店ではありました
ですが
この時にきめました
二度とくるものか
ランチタイムのひとり客は
カウンター
お店のルールには
なんら問題はありません
ダメだったのは
男性の気分を
そこなってしまったこと、
ではないでしょうか
お店のひとは
男性には
こちらにどうぞとしかいわず、
あやまったのは私にだけ
男性はいきどおったまま
私のそばにたち、
席をつめさせられた私に
なんの一言もない
いくらお店のひとが頭をさげてくれても
怒りをかくさない男性に、
食事をさえぎられた私も
おもしろくありません
このときより
私はこのお店にいかなくなりました