席は2階D列上手寄り
ネタバレしています
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ろくでなし啄木
平成23年1月29日マチネ
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作・演出(以下、敬称略)
三谷幸喜
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藤原竜也(ピンちゃん、こと啄木)
中村勘太郎(テツ)
吹石一恵(トミ)
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藤原竜也
予想通りの、芝居の巧さでした
私には、2幕の終盤、真相を話す所くらいまでですね、ピンちゃんは、つまらない男、ナンて事のない男に感じました
それが
石川啄木デース
と飛び出して来て、真相を話し出してから、どんどんピンちゃんが、いやピンちゃんである藤原さんが、シェークスピア劇の登場人物のような凄まじさを増していきました
かねてから、舞台で藤原さんを見たい、と思っていましたが、想像通りの素晴らしさでした
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中村勘太郎
勘太郎さんは、予想以上に巧い、流石、歌舞伎役者です
テツさんの人柄がいい
テツさんの、ダークな悪い所が出て来ても、人間としての厚みが出ていて、魅力があります
正直、最初っから最後まで、私は、テツさんに釘付けでした
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映画「羅生門」の手法ですね
複数の人物が、自分の側の話をする事で、筋に違いが生じ、お客がどれが真相か分からなくて不安になっていくやり方
最初にトミさんが、表のストーリーを語る
トミさんが全て語り終わったら、裏の話をテツさんがする
トミさんの表の話の時のテツさんの部屋が、既におかしな雰囲気になっていて、これに何か意味があるのか、秘密があるのか考えるヒントになりました
もう一つの、真相の手がかりは、テツさんの裏の話の時、宿の女将から貰ったのが、トミさんがリンゴだったと話したのに、テツさんがミカンだったと語った、果物の違い
トミさんの表の話では、トミさんは置いてあるナイフで自害を図りますが、テツさんの裏の話では、果物はミカンだから、トミさんはナイフを自分の懐から出している、この表と裏の違いは、トミさんとテツさんそれぞれ、自分が持って来てないから、相手が持って来たと錯覚した所から、第三の人物となるピンちゃんが置いた答えが導き出されていきました
この手法には、本当にワクワクさせられました
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三谷作品に外れはなく、ろくでなし啄木も例外ではありませんでした
東京サンシャインボーイズの復活まで、あと何年?
と、ふと思いました…