明治から平成までの殺人事件59件
<物語>日本近代殺人史
山崎哲(ウィキペディア):著
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米穀商殺し事件
犯人は、農商務省無技研でした
技研は米相場のお金のトラブルから、後輩と共に米穀商を殺害
当時の米騒動の関係も有り、又、現役役人の犯行という事で、死刑執行は、判決の2日後に執り行われています
再審請求をする間もない
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不倫の果て、相手の男性自身を切り取って食べてしまった女性は、昭和11年当時に、心神耗弱で懲役6年の判決
この頃、もう心神耗弱で情状酌量が有ったんですね
でも、出所して、自分で事件を芝居にして、自分の役を演じているのはどうでしょうか…
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浜松・聾唖者大量殺人事件
昭和11年に起訴された時、精神鑑定をされています
当時、ろうの人に対する偏見は今より更に酷かった筈
なのに、こういった方法を取っていたのだな、と少し驚きです
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著者の、心理学、精神医学についての見識は、専門家と見まがうばかり
昭和28年のメッカ殺人事件
証券ブローカを殺害した元慶応ボーイ
彼女が複数の男性と付き合っていて、その中に親友が居た事で抑鬱状態になったとの事
抑鬱状態、なんて表現、詳しい人しか書きませんよ
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私も覚えている、ピアノ騒音殺人事件
事件の日は、夏休み
朝7時15分にピアノを稽古しだした
これは、いつもより2時間も早い時間
と有るのですが、大人には平日なんですよ?
7時15分が早朝とは、私にはどうしても思えませんが…
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昭和51年の往年のロカビリー歌手の、愛人殺人事件も覚えています
でも、当時はこの人がどんな歌を歌ってたのか知りませんでした
8マンか…
は~し~れ、エイトマーン、た~まよ~りも、は~やくーーー
ですね
本書を読んで、元々のヒット曲じゃなく、私の知ってる歌で声がわかりました
因みに、8マンは、リアルタイムでは見てない世代です、私
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昭和52年の開成高校生殺人事件
家庭内暴力の高2男子を父親が殺害、と有ります
世に言う開成高校生殺人事件である、などと書かれていますが、…言いませんよ
私が関西人だからか、こんな高校名、聞いた事もありませんし、家庭内暴力の子殺し事件は、これだけでなかったと記憶してるので、ピンと来る人も少ないのでは
でも、子供を手に掛ける、どんな理由にしろ、どれだけ悲しい事かと思います
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今も忘れられない昭和54年の銀行襲撃事件
本書では、容疑者のフルネームを事件の名前にしていますが、我々関西人は、○○銀行△△支店事件と銀行と支店名を言った方が分かり易い
著者は事件の締めくくりに容疑者の戒名を載せていますが???
あれだけの人を撃ち殺し、あれだけの人達に恐怖を与えた男、確かに裁判も受けられずに死んでしまいましたが、戒名なんか載せて???
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あまりにも有名な幼女連続誘拐殺人事件
裁判の模様がここに出て来ますが、或る評論家の意見を載せていて、それがどうもしっくり来ないのです、私には
心理学的には正論なのだと思いますが、この事件、そんな事じゃないのではないかと思います
彼の手の障害、そしてもしかして脳の器質性障害、即ち発達障害ですよね、そして、更に解離性の障害や或いは統合失調症と言った精神的な疾患等、まずはそこら立て直さないといけないのじゃないかなと思うのです
はっきり言って、健常の論理は健常にのみ適用される物です
たかが、ハローワークで障害者の職業相談をしているだけの私にも、このくらいの事はわかります
男性と或る出版社の編集長との往復書簡からおこした書籍(ネタバレのエントリー)を読みましたが、その時は、色々な障害名が浮かんだ物でした
今、たくさんの事件の中の、短く纏めたものとして読んでみると、解離性同一性障害だったのかな、と強く感じます
女性名で子を亡くした母親に成り切って、殺害した子のお母さんに手紙を書いた事、嘘つき男ではなく、その女性の人格が交代したのかも知れないと思います
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プロ棋士刺殺事件
中学生の息子が父を殺害
その事件の中で、筆者は、家庭の役割について言及しています
社会や学校で受けた傷を癒す所、と
傷を癒す
私の家庭はどうでしょうか、子供達にとって、夫にとって、傷の癒える場所でしょうか…