席は、4列中央
でも1列はなかったかな、と思います
実質は前から4番目ではなかったと思います
ネタバレしています
(以下、敬称略)
劇団新感線2009秋興行
INOUEKABUKI SHOCHIKU-MIX
蛮幽鬼
平成21年11月9日ソワレ
梅田芸術劇場
脚本
中島かずき
演出
いのうえひでのり
アレクサンドル・デュマ作の「モンテ・クリスト伯」を下敷きにした、復讐劇です
日本を思わせる鳳来国の留学生4人
蛮教を鳳来に持ち帰る為の、果拿(かだ)の国での5年の留学
果拿は、中国や朝鮮っぽい感じです
果拿から帰国する前夜の場面から、物語は始まります
留学生の2人、音津空麿(粟根まこと)、稀浮名(山内圭哉)はあんまりモノにはならなかった様子
空麿と浮名は、根性もよくない模様
ひきかえ、主人公・伊達土門(上川隆也)は頭もよさそう、性格もまっすぐ好人物な感じ
鳳来に帰れば土門は、鳳来の国務に携わる京兼惜春(千葉哲也)の娘・美古都(稲森いずみ)と結婚する予定
土門は、自分自身が国の力となる未来を描きながら最後の夜をすごします
ところが、根ババ空麿・浮名コンビと、好青年・土門の3人を繋ぐ役目を担っていた調部(川原正嗣)が、このややこしい夜に殺害されるのです
調部は美古都の兄、そして、惜春の息子
帰国後は父のやり方に異議を唱えて、新しい国作りを進めたい気持ちをもつ、将来有望な青年でした
根ババ2人が、土門が調部を殺害する所をみたといいます
嘘です
土門は、調部を殺していません
けれど、調部を介抱しようと凶器に触ったりしてますし、有罪となり、土門は監獄の島へ流されます
根ババ共は鳳来の蛮教の第一人者としてのお墨付きを果拿の王から賜り、土門を監獄に流した侭、帰国の途につきます
調部を殺害したのは何者か?
土門は島からでて、復讐をとげられるのか?
タイトルがスクリーンにでて、ドライアイスでしょうか、冷たい白い煙が私たち前列を襲いました
寒かったけど、これからどうなるかというワクワク感、新感線の舞台にこれたという喜びで、期待が溢れました
稲森いずみさん、美古都の役、美しいですね
華奢な立ち姿が美しい
堺さん、監獄島で鉄仮面を外されてからずっと、あの笑顔
あの笑顔で、通常の台詞も殺陣もなんて大変だなあと思いました
新感線からは橋本じゅんさんがでていた噂の男でも、堺さんは半笑いキャラを基調にした役でした
蛮幽鬼は、更に深くて恐ろしい男・サジの、深い恐ろしい笑顔が印象に残りました
※ネタバレの私のエントリー
早乙女太一くん、女性の踊り手役の時は余裕ある有様で非常に美しかったですね
刀衣という男の子になると等身大の、若さ一直線の青年に感じました
刀衣は何度か堺さんのサジと対峙しますが、堺さんの大人の余裕とは対照的な、太一くんの直向きな若さを感じました
太一くんの時だけ、踊り、殺陣の後に拍手がおこっていましたが、新感線にはない劇団朱雀ルールですかね
太一くん、うちの高二の長女と一つしか違わないなんて、信じられませんなあ
梅田芸術劇場には、この夏にじゅんさんの ピーターパン で来ています
ピーターパン では、じゅんさんはフック船長
フックの部下・海賊達は、新感線役者で固められていて、フック登場の場面でも、お客を巻き込んだコール&レスポンス的な遊びがありました
蛮幽鬼 では、宴会の席で、やっぱりじゅんさんがこれの音頭とって、会場を沸かせました
「なんぼのー」(コール)
「もんじゃーい」(レスポンス)
じゅんさんは、今回の蛮幽鬼では浮名の父・道活の役
じゅんさん、もの凄いメイクでしたね、私の席から肉眼ではっきり見えたので、怖かった~
息子に負けず劣らず根ばばで、鳳来の右大臣をやっていました
右大臣というより、品もなくって、何だかヤのつく自営業の幹部の方みたい
じゅんさん、最近、大きな子のいるお父さんとか、根ババな首脳陣の役が多くなってきましたね
※コール&レスポンスの所はありませんが、ネタバレはしてます
1幕は、右近健一さんの鳳来の大王がサジに殺害され、美古都が大王となる所で幕
囚人だった殺しの天才・サジと監獄島を脱出していた土門は、蛮新教という教えを説法する飛頭蛮という人物になって鳳来に上陸していました
既に1幕中に大王の后になっていた美古都は、10年もの監獄島での面変わりに惑わされず、ずっと密かに思い続けている土門だと見通していました
しかし、大王がサジに殺害されたと刀衣に教えられ、土門の差し金だ、お互い敵味方だ、と心を鬼にした美古都でした
粟ぼん演じる根ババ・空麿は、今では蛮教の大家として鳳来の学問守になっています
2幕初めには、空麿と、蛮新教の教祖・飛頭蛮との、公開問答が行われました
結果的にナンじゃカンじゃあって、問答した訳ではないのですが飛頭蛮の勝ち、新・学問守は飛頭蛮という事になります
でも、美古都、現・大王ですね、彼女が、学問守は空麿の侭にする、飛頭蛮はダメと、感情的に言い放ちます
美古都大王は、夫は飛頭蛮の一味に暗殺された噂がある、と根拠のない発言をします
父として、臣下として、大王をたしなめ、鎮めようとする惜春とは対照的に、ヒステリックな女性・大王
これやからオンナはあかんねん、といわれそうな場面ですよね…
惜春の千葉さん、IZO の時よりずっとイイ
惜春は素敵なお父さん、思慮深い左大臣、と思って、この時は見物していました
※千葉さんの事は全然でてきませんが、ネタバレはしています
IZO(劇団☆新感線) H20年2月大阪中日 シアターBRAVA!
普通は、蛮幽鬼、どこで涙するかな
私は、土門が正体を現し、浮名・空麿、根ばばコンビにいよいよ復讐、命を奪うという場面の「展開」で、涙してしまいました
何でこんな所でか? は以下の通り
まず空麿が、浮名が悪いと土門に訴える下りがあります
財産のある浮名が、貧乏だった空麿を留学中に金銭的に支援してくれてて、浮名の命令で、土門を陥れるのを断れなかったのだと
そしてあろう事か、空麿は浮名を斬殺し、土門を酷い目にあわせた奴を俺が殺した、俺だけは助けてくれと、卑劣きわまりない行為に出ます
この後です、私の涙腺がヤバかったのは
じゅんさん演じる道活も、この場にいました
息子・浮名が、空麿に裏切られて殺害されるのを目の当たりに目撃している訳です
道活の、怖い怖いメイクの目に涙
ここです、私も涙…
あんな?浮名でも、道活からしたら、可愛い息子です
そして落涙の加速を促したのは、この続き
今までからチョロチョロでてきていた空麿の父・物欲(逆木圭一郎)が、突然でてきて、深い哀しみをもって道活を刺す
物欲・空麿の音津家は、道活・浮名の稀家のようにお金や地位もありません
それと物欲は空気がよめないといわれる人で、空麿は自分の出世の妨げだと腹立たしく感じていました
空麿が疎ましく思っても、物欲は息子が大切
物欲が愛息の命を奪った道活を刺した所で、私はまた涙…
浮名も空麿も、もうエエおっさんですよ
それでも親からすれば、いつまでも大切な可愛い子供
ここの場面は、一番辛かったですね
こんな、サジが怪しいとか、親友・調部を殺すように命じた張本人は誰だとか、そういう臭いをぷんぷんさせた場面、そして、空しいなあ、もっと根ババ共を成敗してせいせいする筈なのに的な気持ちを生じさせる場面に、親として涙なんか流してる私は、勿体ない見方をしてるのかも…
蛮幽鬼の中で、最も悪い奴ってサジかな、と思いました
でも、サジは裏切られた心の動きが何となく理解できる気がして、「最も」でもないかな
やっぱり、惜春でしょうか
実の息子・調部の殺害をサジに依頼したり、実の娘・美古都をも殺してもいいと思っている
この平気な感情が、どうしても私には理解できません
人の命を軽んじる奴ですら、我が子だけは別だと思うのです
考えれば考える程、惜春が理解できない…
右近さんの大王、填り役でしたね
大王、2場くらいしか出番がなかった
サジが暗殺の為に接近しても、まあサジが笑顔の、軽い系の殺し屋ですから仕方ないですが、ジタバタせず、大王らしく死を観念しましたよね
国を憂い、妻を愛し、優しい人柄だった大王
もっともっと、右近・大王を楽しみたかったです
上川隆也
堺雅人
稲森いずみ
早乙女太一
千葉哲也
山本亨
橋本じゅん
高田聖子
ホットバター・ド・ラム 11/10
粟根まこと
川原正嗣
前田悟
逆木圭一郎
河野まさと
右近健一
蛮幽鬼 10/1
村木よし子
山本カナコ
大阪初日 11/9
保坂エマ
中谷さとみ
村木仁
インディ高橋
礒野慎吾
武田浩二
兼家剛
矢部敬三
川島弘之
加藤学
井上象策
安田桃太郎
安藤由紀
安藤由紀の☆ゆきちのぉ部屋☆
生尾佳子
須永裕子
NAMI
吉野有美