席はI列上手寄り
ネタバレにご注意ください
劇団四季ミュージカル
プレビュー公演
ウィキッド
平成21年10月10日マチネ
大阪四季劇場
オズの魔法使いをしらなくても、十分楽しめます
逆に、ウィキッドをみてからオズの魔法使いをよんだら、オオっと思う所もあるかも
ウィキッドは一言でいうと、オズの魔法使いに登場するいい魔女と悪い魔女の物語
いい魔女・グリンダ
悪い(ウィキッド)魔女・エルファバ
舞台は、グリンダが民に囲まれて、楽しい場面でスタート
悪い魔女は、少女ドロシーに水をかけられ、この世からいなくなり、よかったね、という所です
民から、グリンダと悪い魔女は、昔は友達だったのか、と尋ねられたグリンダが話しだす、回想の形式でストーリーが始まります
グリンダは、元々魔法は使えません
いつ使えるようになるのかと楽しみにみていましたが、結局最後まで使えませんね
エルファバは、お母さんが不倫をしてうまれた子
うまれた時から全身が緑色という、生活するには問題ないものの、対人的には大いなるハンディを背負っています
そしてエルファバは、不思議な力、魔法が使える子供でした
そんな関係から、実の子じゃないとしらない筈のお父さんからも、愛情を貰えずに育ちます
お母さんが第2子を妊娠した時、次の子は緑人間では困ると、お母さんはお白い草を摂取
そして誕生した女の子、エルファバの妹・ネッサローズ
お白い草のせいなのか、足に障害をうけた赤ちゃんでした
以降、ネッサローズは車椅子で移動をする生活となります
エルファバとネッサローズは、シズ大学に入学、入寮
お父さんから、妹の世話をしなさいと命じられているエルファバ
グリンダも、新入生でした
1幕の舞台は、大半がシズ大学
明るく華やかな性格のグリンダは、いつも多くの友達に囲まれています
車椅子と緑の姉妹ペアは、常に2人だけ
この3人が関わるに至る展開、私、ウィキッドでも大好きな下りです
エルファバとグリンダも、巧くいかずに喧嘩したりしますが、お互いの良さがみえてきて、気がつくと大切な友達になっていました
魔法使いの王・オズに拝謁する為、魔法の才能溢れるエルファバは、親友グリンダと共にエメラルドシティを訪れます
緑に輝くエメラルドシティでは全身が緑なんて、ハンディでも何でもありません
車椅子の妹・ネッサローズに彼ができ、自分には親友ができ、使ってはいけないと戒められていた魔法の力が賞賛され、その状態でオズに目通りが叶った時、エルファバは今迄味わった事のない幸福を感じた筈
ところが、オズは原作のオズの魔法使いと同様、普通のおっちゃん
オズが、エルファバを利用しようとしていた事がわかってから、物語が急転直下
エルファバは、オズを敵に回す事に
グリンダは、その場の過程でオズ側に回ります
2人は、友情をこんな形でズタズタにされました
ここでエルファバ、友と決別しても、自分の道を進むという場面で、感動的なDefying Gravityを天空に上昇しながら歌いあげて、1幕終了
幕間後は、オズにいい魔女として宣伝されてしまったグリンダと、意図的に、邪悪な魔女よばわりされたエルファバという、2人のポジションをはっきりさせる始まり方で2幕がスタート
エリートになり損ねたエルファバが迫害されて、失意の内にお父さんは死去
グリンダは、実はエルファバも恋心を抱いていた大学の同級生のフィエロと、婚約を発表
家督を相続したネッサローズには、シズ大学からの彼・ボックがずっと傍らに仕えてくれています
ところが
フィエロは、最初からエルファバを愛していた
ボックは、ずっとグリンダを愛していた
などと曰うから、グリンダもネッサローズも精神的にえげつない事になってしまう
まあ、お客はしってましたけどね、フィエロやボックの気持ち
フィエロは、エルファバを助けて、エルファバと逃亡
そしてエルファバは、お父さん死亡もしらずにお父さんにヘルプを求めて実家にきます
あんたのせいでお父さんはねっ、的な姉妹の確執がこの場面で何じゃかんじゃあって、ネッサローズ、結論をいうと、ここでエルファバの魔法で歩けるようになります
でも喜びもつかの間、上述のボックの爆弾発言…
ネッサローズはボックを自分の元に留めようと、エルファバが持参していた呪文の本を、使えもせんのに使いよったから、ボックの心臓が停止
「ネッサローズ」とは、オズの魔法使いに登場するもう1人の悪い魔女の名前です
ボックに対して、いかないで、と叫ぶネッサローズは、第一幕の可愛らしい女子大生ではありません
怨念だらけの魔女やがな
多分、私、この館での場面が一番怖かったかも
エルファバは魔法で、ボックの心臓が二度と痛まない体にかえました
ボックを、助ける為にした事でした
それが、全身ブリキという姿
ボックは、こんな風になってしまったのはエルファバの悪い心、呪いと勘違いし、以降、恨んで魔女迫害のグループに荷担するようになります
原作オズの魔法使いに登場する、ブリキマン誕生の瞬間です
若い人達の輝きが溢れる1幕とは対照的に、2幕はどんどん悲劇ばかりが続きます
天気を操作する魔法が使える、シズ大学長のマダム・モリブル
マダム・モリブルが、エルファバのオズへの目通りも段どりしたのです
エルファバの敵となったマダム・モリブルは、オズの片腕となって、エルファバの逃げ場を奪っていきます
極めつけ、竜巻を生じさせ、ネッサローズを殺害するのです
ネッサローズは、竜巻で家が上昇し、落下した家の下敷きで死亡してしまいました
オズの魔法使いの原作通り、悪い魔女ネッサローズは、竜巻で家の下敷きで落命しましたとさ…という感じ
フィエロも、民衆に捕まってしまいます
エルファバがグリンダに、ネッサローズの死因は本当に天災だけなのかと疑問をぶつけます
グリンダは、こういう所が優しくって、疑う事をしません
グリンダは、妹を失ったエルファバを思いやり、心を痛めながら、竜巻が原因よ、と答えます
シズ大学生だった頃も、ネッサローズ出産後お母さんが死亡した事、ネッサローズも足に受障した事は、貴女のせいではなくお白い草のせいよ、というグリンダでした
妊娠中にお母さんがお白い草を口にした原因は、自分が緑だからなのだと、ずっとずっと苦しみ続けていたエルファバに、優しいグリンダでした
そしてこの場に、フィエロが群衆のリンチにより殺された情報が届きます
エルファバは、もう潮時だと死を覚悟し、グリンダと最期の別れをします
そしてエルファバは、原作オズの魔法使い同様、竜巻にとばされてきた女の子ドロシーに水をかけられ、消滅してしまうのです
悲しみを胸に、グリンダは、オズを追放し、マダム・モリブルを牢屋に監禁、国を治める魔法使いの女王になります
でも、グリンダは以下の事は関知していませんでした
フィエロは民衆のリンチの際、エルファバが魔法で案山子にかえたので、骨折したり内臓破裂せずに生存していた事
そして、エルファバも魔法で地面の下に隠れ、滅びたりしていなかった事
フィエロは考えなしの男の子でしたが、グリンダにも黙っていようとエルファバに提案したのはフィエロでした
オズの魔法使いといえば、思考力に乏しい案山子と、ブリキの男と、気弱なライオンくらいはご存じの方も多いと思います
フィエロが、じっくり考える事ができるようになった案山子ですね
エルファバを逆恨みしているボックは、臆病ライオンも仲間にします
ライオンは、1幕に子ライオンで登場します
エルファバが一番オズに対して憤っていたのは、動物から言葉を奪っていた事
エルファバのシズ大学の恩師・ディラモンド教授も山羊でしたが、ある時言葉を奪われ、オズの城に連行されていきました
気弱な子ライオンは、ディラモンド教授失職直後に登場
学生達は、これからは動物は檻にいれる事になったと説明をうけ、シズ大学に運ばれた小さな檻に、子ライオンは入っていました
この講義の途中でエルファバは魔法を使い、檻ごと子ライオンを救出します
けれども、この時のPTSDで子ライオンには恐怖の印象が残ってしまったようです
このエピソードは、エルファバのせいで臆病になってしまったと民衆には伝わっていて、更にエルファバは危険分子扱いの流れとなりました
原作オズの魔法使いは、こんな感じでウィキッドの一部になっています
物語は一応、主人公達の求める物がそれぞれの手中に収まったという事で、大団円といえるのかも
エルファバは、愛する人を
グリンダは、国中の人気者に
悲惨な部分も多かった舞台でしたが、終幕時点では、ストーリーに対しても満足感が広がったように感じました
エルファバ役・江畑晶慧さんの歌唱力は、脱帽物です
2幕の、民衆に捕らえられたフィエロを助ける為に、エルファバが歌うNo Good Deedがよかったなあ
物語を、これ一曲で象徴してると思います
エルファバが、開き直って、やり直しを願って、そして、不安な心を訴える曲
いやあ、ソプラノでなくても主役になれるって、ウィキッドはメゾソプラノパートとしては、嬉しいて敵いませんわ~
…って、ホンマは私アルトパートでしたー、マダム・モリブルっぽい
マダム・モリブル、いっちゃん悪い奴ですよねー
オズ自体は、そんなに悪い人ではなかった
マダム・モリブルが、オズを陰で操って、エルファバを陥れたんです
エルファバに襲いかかる悪夢は、全部マダム・モリブルが運んだものといっても過言ではない
民衆の情報操作もしてましたし、この人こそ水ぶっかけられて消去されるオチがよかったなあ
マダム・モリブルは、天気の魔法しか使えないのかな?
囚われの身になっても、魔法で牢破りなんて簡単なんではと、心配をしてしまうのですが…
動物たちの言葉を奪うのは、オズのやった事?
どうやったんでしょう、彼は魔法が使えないのに
マダム・モリブルみたいな人が、まだ何人かオズの周りにいたのでしょうか?
これだけがね、未だに解決できない謎で残ってしまいました
やっぱりミュージカルが、大好きです
劇団四季が、大好きです
ウィキッドのプレビュー公演にいけて、本当に幸せでした
作曲(以下、敬称略)
スティーヴン・シュワルツ
原作
グレゴリー・マグワイア
演出
ジョー・マンテロ
日本語版歌詞・台本
劇団四季文芸部
苫田亜沙子(グリンダ)
江畑晶慧(エルファバ)
山本貴永(ネッサローズ)
八重沢真美(マダム・モリブル)
北澤裕輔(フィエロ)
金田暢彦(ボック)
雲田隆弘(ディラモンド教授)
栗原英雄(オズの魔法使い)
賀山祐介
斎藤准一郎
白倉一成
末谷満
清原卓海
三宅克典
嶋崎孔明
成田蔵人
須永友裕
あべゆき
黒崎綾
間尾茜
小澤真琴
織田なつ美
孫田智恵
増山美保
花田菜美子
原田真由子
この舞台は、長女が2枚チケットをいただいたことで、私が同行できました
娘に感謝、おおきに
おかげで内容が良く分かりました。
ところで、歌のパートについて書かれていますが、コーラスか何かをされていたのでしょうか?
因みに私は中学・高校時代、その時々のパートの人数の比率によって、全てのパートを経験しました。
理由は、どの声域でも出せるから、だそうです。
でも、ホントはどこ?って今でも思います。[E:despair]
ソプラノ人数が不十分だった経験が一度もないので、その部分に今くいついてます[E:sweat01]
私は、アルトをやりたがるソプラノ声 といわれていました
絶対アルトやんか、アルトの方がオモロイし、と思っていました
三部に別れる時は私の頑固さに先生がおれて、間をとってメゾが多くなりました[E:sweat01]
私の低域音がでる女子は他にはいない、という自負があった生意気な子でしたから、私がアルトをとればアルトパートは完璧に一つに収まるのに、と思っていました
いや、思ったんじゃなく、言葉でもいうたなあ…[E:sweat01]
低い音を発するのが楽しかった以外に、他のパートの空気をよみながら、曲の土台を固めていくアルトが、性格にマッチしてたのもあるのかなあと思います
でも、メゾパートは面白い音の運びをしますから、歌っていて面白かったですけどねえ
確かにソプラノ不足だったことはなかったような・・・。[E:ear]
ということは、ソプラノからのシフトだったってことになるんでしょうね。でも、三分に分かれる時に、ソプラノをアルトに回すか、普通?[E:downwardright]メゾソプラノなら分かりますけど。
ソプラノはメロディーをとる事が多いですよね、簡単だと思っている人達がソプラノをやりたがったりしてましたので、ソプラノはいつも人気
アルトの方が「下のパート」で難しいと思われがちですが、難しいというならアルトもソプラノも同じですよね~
合唱、面白かったな
大人になると、ハーモニーを調和させる機会が全くなくて、寂しいものですね…