席はC列上手寄り
オペラグラスの大活躍
パルコ・プロデュース公演
いのうえ meets シェイクスピア
リチャード三世
平成20(2008)年12月28日マチネ
シアターBRAVA!
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原作(以下、敬称略)
ウィリアム・シェイクスピア
三神勲・翻訳バージョン
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演出
いのうえひでのり
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出演
古田新太
安田成美
榎木孝明
大森博史
久世星佳
三田和代
銀粉蝶
山本亨
天宮良
増沢望
blog)
西川忠志
川久保拓司
森本亮治
逆木圭一郎
河野まさと
村木仁
礒野慎吾
吉田メタル
川原正嗣(アクション指導も)
藤家剛(アクション指導も)
藤木孝
若松武史 他
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1幕と2幕の間に20分の幕間がありました
ロビーなどで、同じ名前がいくつも出て来るし、ストーリーを確認し合ったり、お互いの混乱振りを自慢し合ったりの人達を多く見かけました
古ちんのリャードは藤木孝さん演じる王エドワード四世の弟
カーテンコールで、古ちんが、
「今日が藤木先輩ラストです」
と紹介してくれてました
そう、仙台公演とか東京公演では、エドワード役者が変わるのです
で、複数エドワード説明の続き
安田成美さん演じるアン王女の、夫がエドワード
この人も古ちんリチャードに殺されます
リチャードは、アンが好きでも何でもないのに、思いを寄せていたとかナンとか、そのせいで貴女の夫エドワードを殺したとかナンとか言うて、アンに強引に言い寄ってまんまとアンと結婚して、次の悪巧みの足掛かりとするのです
アンは、古ちん一家ヨーク家とは別の支配者の一員で、アン絡みの領土を頂戴したのです
更にキーとなるエドワード
藤木エドワード四世の皇太子です
子役がやってました
お客の混乱って、主にこの3人のエドワードの関係、そして彼らとリチャードとの関係が解りにくくて起こっていたようです
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リチャードは顔に痣があり、背骨が変形しています
現代風に言うと、ファニー・フェイスで、体幹機能障害
リチャードの悲劇は、当時の風潮もあり、俺は人から疎まれるに違いないと思った事から始まります
実際、嫌な思いをした事が有ったのかもしれません
人に好かれないなら、徹底的に嫌われてやれ、と、人を踏み台にしてのし上がる事を考え始めます
リチャードの衣装、どうよー
リチャードのヘアスタイルも含めて、70年代のサイケデリックな感じに見えました
現在即位しているエドワード王の弟、公爵の称号を持つ威厳はどこへやら、唯の70年代の、けだるい若者がぶつぶつ文句を呟く的な冒頭
舞台上にいくつも置かれたモニター
リチャードが自分の独白をちっさいキーボードで打つと、いや、途中からマイクみたいな物に声を入れてましたけど、モニターに台詞の文字が映ります
なので、あえて早口で小さめの声で、要するに客に聞き取れなくてもいいや、モニター読んでもらうから的な台詞の言い方かと勘ぐる程でした
正直、私の席から肉眼では確認出来ず、モニターの文字を私、一生懸命オペラグラスで追っかけました
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脇役でオイしいのは、何と言っても大森博史さんのバッキンガム公と、女性では銀粉蝶さんのマーガレットに、久世星佳さんのエリザベスでしょう
バッキンガムの頭に先ず笑けました
イギリスの兵隊の帽子の形ですよ
リチャードの悪巧みに乗っかって、リチャードを王にする第一人者でしたが、報酬ばかり求めて、リチャードに処刑されてしまいます
リチャードもそうですが、バッキンガムの人を騙す時の、白々しいような善の演技と、実は悪いでっせ~的な演技の落差が、とても楽しそうです
大森さんがシティボーイズミックスに面白いキャラで出た時、その対比の笑いとして大竹まことさんが大森さんに、
「この後の舞台がリチャード三世なんだな」
という場面がありましたが、まさか今回のリチャード三世じゃないですよね、あのシティボーイズの舞台、ずいぶん前ですものね…
↓ 大森さん出演ミックスのエントリー
シティボーイズ繋がりで言うと、銀粉蝶さんも、別の年のミックスで拝見しました
↓ 銀粉蝶さん出演ミックスのエントリー
マーガレット、ほんまに演じ甲斐の有る役ですよね
彼女は元王妃
藤木エドワード四世の妹で、エドワード四世の前の王のお后です
前の王も古ちんリチャードがやっちゃった
前の王妃やし、王の妹やし、一応優遇はされてるけど、夫と息子を殺された女性で、周りを恨む事ばかり言うし、あの人、魔女や魔女やと言われて、敬遠されています
何の非も無い夫や子供が、自分勝手な犯人に殺されたら、女性はこうなってもおかしないんやけどね…
彼女の台詞も、独白部分は腕に着けたちっさいキーボードで入力して、モニターに映りました
古ちんは、マイクにぼそぼそ独り言パターンでしたが、銀粉蝶マーガレットは、女性という事で、お洒落なアイテム的な仕上がり
でも、頭髪は白髪で、黒くて人を威圧するような衣装でしたね、マーガレットは
魔女、と言われるの、解らんでもない
それから藤木エドワード四世の后の久世エリザベス
藤木エドワードの前の夫との息子が1人、今度の藤木エドワードとの間の息子が2人、そして、どっちの旦那さんの子かな、女の子が1人と、母親としても子だくさんで幸せな女性
でも、リチャードとは対立していて、今の后という事で、魔女っぽくなったマーガレットからも、
「あんたもいずれ次の王妃にその座を奪われるさ」
と呪い言葉を投げられてしまいます
藤木エドワード四世の息子が皇太子エドワードですが、藤木エドワードが亡くなってしまい、リチャードにエドワード皇太子も殺される、その下の王子のちびっ子ヨークも殺される
久世エリザベスは、大きな悲しみにくれ、リチャードを恨み、マーガレットが追い打ちを掛けてきたら、言い返し、やり返す
彼女は、母として女として、のたうち回るのです
マーガレットとエリザベスは、パンツ基調の衣装で、他の女性陣のドレスとは違う印象を与えました
歩くだけでなく、座ったり、寝転んだり、二人とも活動しまくりでした
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リチャードがこんな性格ですから、王になっても重鎮を処刑し続け、反乱も起こる、味方も裏切る
ラストは戦死
古ちんは、弁慶の立ち往生じゃないですが、撃たれた時後ろが壁だったので、凭れた立ち姿で幕
リチャードの命を奪う銃声の大きかった事!
びっくりして私、体、動いてしまいました
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ケータイのような通信機で通信し合うし、モニターにニュース流したり LIVE という文字を画面に小さく映して実際に舞台の役者がカメラで撮ってる最中の演説とかの場面を映し出すし
エレベータはあるし、ブザーが鳴って訪問者がモニターに映ったり
マクドも出て来るんです
リチャードがマクドが好きかして、悪巧みの時もマクドの袋から何やら取り出してモシャモシャ食べる、戴冠式の時も正装で巧く手が動かせないから家来にハンバーガーなど取らせて、手に持たせてもらってモシャモシャ食べる
きちんとした翻訳戯曲でシェークスピアのリチャード三世だから、いのうえさん的笑いは期待したらアカンなと思っていましたが、随所随所笑えます
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戦争に行く時のリチャードの乗り物が、バイクを基調にした物でしたが、アレ、インディー高橋さん作かな?
多分そうですよね
高橋岳蔵さんとしてスタッフにお名前有りましたものね…
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古ちんリチャードが、王位を奪う為にこれから陥れていく人達を思いながら、キーボードに打ち込み続けた文字がモニターに映し出される場面は、背筋が寒くなり、リチャードはやっぱり病んでいるというか、人としての気持ちを持っていない男だなと思いました
彼は、
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね…
と打ち続けるのです
効果抜群やわぁ、ぞーっとします
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カーテンコールは最後スタンディング
立った時に、オペラグラスのカバー落としちゃいました
帰りの電車でバッグの中を探っても見当たりませんでしたから💦
ああでも、平成20年の私の締めくくりに相応しい舞台でした