1999年に出版され
2005年に日本で翻訳出版されました
少年への性的虐待
男性被害者の心的外傷と精神分析治療
スー・A・シャピロ 共著
女性・少女が受ける
性的虐待の被害については
やっと認知されつつあります
けれども
男の子の受ける虐待は
まだまだ偏見が多いと言えます
虐待の相手は
他人ばかりではありません
異性の母親を含め、父親、兄、
信じられませんが
祖父母というパターンも有ります
あくまでも治療者からのアプローチのまとめではありますが
中味的には
実話のケースがどんどん出て来て
暗澹たる気分になります
男性が性被害を受けても女性ほど深刻に考えて貰えず
むしろ虐待を仕掛けた相手が女性だったら
加害者呼ばわりされたり
解離性同一性障害とは
過去には
多重人格、などと表現されていました
解離性同一性障害の本も読んだ事があります
でも
こんなに分かりやすく解離を書いてあるのを読んだのは
初めてに感じました
嫌な事、それも極めて死ぬほど嫌な事が起こる時、
意識をよそに飛ばす、と言う事が
解離であると
小学校低学年くらいの時、私、歯医者が怖くて
歯医者の窓とか流れているラジオに意識を集中した事を
思い出しました
一種の解離だったのかなと思います
成長過程で
親友のいた少年は
トラウマから
性的加害者や暴力的な犯罪者になりにくいそうで
それは
親友に語る事で虐待被害をコード化して来たからだそうです
被害のコード化は
最近重要視されているらしい
8歳くらいで
性的虐待を受けたある男性は
成人してから
他人に性的魅力を感じる自分自身に
悪寒を覚えるようになりました
虐待を受けていた当時、街でその相手に出会うと、
相手の男達が悪かったのに
自分が隠れてしまったりしたそうで、
そいつ等の恥まで引き受ける事になってしまったと
いまだにその事で苦しんでいるのです
被害を受けた自分に対して嫌悪感を抱かせるなど
虐待と言う行為は如何に
許してはならない行為かと
憤りを感じずにはいられません
精神分析する側の苦悩も
書かれている
アメリカのそれなりの大学を出て
こんな仕事をしてる医師って
相手がどんな反応をしても
冷静沈着にクライアントを観察できるのかと思ってましたが、
そうでもない事が分かりました
クライアントが感情を露わにすると
狼狽もし、焦り、怒りも感じるんですね
シャピロ女史が書いているのは
治療者が女性の場合
男性治療者と違って、
髪形や衣装などの見た目もかなり重要なんですね
窓口業務の参考になりました