席は1階4列・花道の真横
ネタばれにご注意ください
おけぴ管理人の観劇感激レポ より 07/09/14 憑神@新橋演舞場
大阪松竹座新築開場十周年記念
憑神
大阪松竹座
19年10月13日マチネ
原作(敬称略)
浅田次郎(新潮社刊)
脚本・演出(敬称略)
G2
出演(敬称略)
中村橋之助
鈴木杏 杏のよりみちカフェ
升毅
デビット伊東
葛山信吾
藤谷美紀
秋本奈緒美
野川由美子
螢雪次朗
笠原浩夫
初嶺麿代
福田転球 転球とその仲間
大月秀幸
及川直紀
中村橋弥
小松利昌
関秀人
園岡新太郎
陰山泰
コング桑田
時代は幕末です
葛山信吾さん扮する榎本釜次郎は洋装してます
瀕死の状態の徳川の時代です
こんな時にも
橋之助さん演じる彦四郎は
真面目に上様に仕えたいと考えてます
螢雪次朗さんが根性ババ色な舅で
彦四郎は愛妻・藤谷美紀チャンとの間に
小林くん演ずる市太郎と言う
ワープロソフトみたいな名前の嫡男を儲け、
子がすくすく成長した途端
根ババに離縁されると言う、
現代のバツいちなどと言う呑気な状態でない
この時代の出戻り、
人に非ず、武士に非ず的な境遇に置かれてしまう
それでも真面目な、公務員の鏡のような彦四郎
だから三人の憑神たちも彦四郎には親切、
とり憑く相手を変える宿替えなどと言うアドバイスをする
チョー真面目な彦四郎もそうしてしまう所が
人間臭くて笑わせます
ですが、最後まで死神を他人に押し付ける事はしません、
流石!
転球さん演じる小文吾は
根ババ・井上家に今も仕えていますが
彦四郎が大好きで
どうしても組頭様、と以前の役職で彦四郎を呼んでしまう
話をするのが苦手な真っ直ぐな男ですが
修験道の修行をしており
チャンと憑神たちに九字も切ってます
悪霊退散の儀式の時は比較的言葉がすんなり出ています
ラストの死を覚悟の彦四郎にお供する所も
すらすらカッコ良く言葉を発してるのに
誰も突っ込まないのが
関西人としてちょっと残念
でも、あのいい場面で
「お前、話が出来ているではないか」
「はい、組頭さま、否、彦さん」
などと遣ってしまったら
チトぶち壊しかのう…
やはり夫婦仲がいい、と言うのは妻の立場から嬉しい
彦四郎と妻・八重の再開の場面、
コミカルな彦四郎の兄夫婦(デビさん、秋本奈緒美さん)の遣り取り
仲睦まじい夫婦の姿でした
席が花道のホン横で
前の人で観えないなど全くありませんでした
カーテンコールは1回
転球さんは私の下手側にいらっしゃったので
幕が下りるまで
変な手の動きをされてるのを見てしまいました
皆さん個性の有る巧い役者さんばかり揃っていましたが
特に升さんとコングさんの神様が印象に残りました
最後に彦四郎(橋之助さん)が死を覚悟で行く所、
みんなは額を地面につけてるのに
お母さん(野川由美子さん)だけは顔を上げていると言う
子を持つ者には堪らないラストシーンが
凄く胸に残りました
神様3人が並んで立って彦四郎を見送り、
おかん以外は皆、頭を下げていると云うあのラストと言い、
回り舞台を巧みに使っての場の転換と言い、
G2演出、凄く洒落てました